手前味噌ながら、私はクライアントソーシングサイトにて数々の高評価や嬉しいコメントを頂戴しています。また、クラウドワークスではプロクラウドワーカーに、ランサーズでは認定ランサーにもなれました。これはひとえに、これまでしてきた数々の仮説検証に基づいていると信じています。当記事ではその経験から得られたノウハウのご紹介をしたいと思います。いわば私が業務を行う際のマニュアルです。
受注側としてだけでなく、発注側としても動くことがあるので尚更参考になるかと!
業務内容としては、主に開発案件や構築案件を請け負っており、要はプログラミングです。フリーランスエンジニアとして良いスタートを切りたいという方の参考になれば幸いです。
目次
契約前に気をつけること
契約前の「提案」段階でフリーランス各位が留意すべき事項をまとめました。
1、接客業だと心得る
忘れがちのことですが、画面の向こうには必ず「人」がいます。
そして、適当な対応(コピペによる提案など)というのは大抵の場合、見抜かれてしまいます。
ろっこ
見抜かれなければ良いのかというと、また別の話にはなってしまいますが、基本的に全てのプロジェクトには発注者の想いがあり、その想いを汲み、適切な提案と納品物を準備するのが業務を請け負う側の最低限の義務とも言えるでしょう。
ただ指示されたものを納品するという意識ではなく、お客さんと共にお客さんの理想を叶える仕事である(=接客業である)という意識改革が必要です。
2、安心感を持たせる(自信を持つ)
これも「接客業」と関連した内容ではありますが、自分の技術、そして自分に自信を持ちましょう。
私も慎重な小心者であるため決して自信家ではない(むしろ逆)のですが、かと言ってナヨナヨしながらフワフワな提案をしていれば、いつまで経っても仕事は取れません。
ここからは賛否が分かれるところかと思いますが……
発注主が契約前に一番危惧することは、どこかで失敗されることよりも音信不通になられることです。
自信がなさげな提案をしていると、それだけで『音信不通にならないか』と発注側も不安になってしまいます。
私はフリーランスとして業務委託を始めてもうすぐ1年になりますが、クライアント様から「クラウドソーシングで契約相手が音信不通になることが多く…」というような不安を何度も耳にしてきました。
もちろん、欲を言えば、
与えられた条件内で、与えられた情報や素材を元にクライアントの思い描いたのものを納品する
のが理想ですが、最初からそう上手くいかないので、どこかで折り合いをつける意味でも
自分が出来ることと出来ないことをきちんと把握し、出来る中で最善のものを納品する(やりきる)
のが大切かと思います。
当然のことのように感じますが、嘆かわしいことにそれが出来ない人が多いというのが現状なのです。
自分が出来ることを意識した提案をすれば、自ずと自信を持てますし、クライアント様の安心感にも繋がります。安心感を持たせることに成功すれば仕事の獲得も出来るようになってきます。
3、丁寧な言葉遣い
つくづく感じるのは言葉遣いである程度相手の知性・人間性が計れてしまうということです。
これは「難しい言葉を使う」ということではありません(むしろコミュニケーションを円滑に行う際には難しい言葉はマイナスとも言える)。
とりわけライティング案件であれば、「づ」や「ず」の誤字などには敏感かと思います。
ただ、これはライティングだけに留まらず、そう言った細かい箇所にこそ素養が表れるので、気をつけるべきポイントです。
特に互いに社会人として責任を持って仕事を行うのですから、マナーや敬語は欠かせないコミュニケーションツールです。
相手が不信感を抱かないよう最低限の敬語や言い回しは身につけておきましょう。
ろっこ
4、レスポンススピード
あくまで私の場合は、常時パソコンかスマホに触れているため基本30分以内に返事を返しています。
また、休暇を取っていたりなど理由があって遅くなったとしても48時間以内には返事を返すようにしています。
先に書いた通り、クライアント様の掲げる不安の一つは「音信不通」です。こういった先方の不安材料は一つ一つ取り除く必要があります。
正直、契約前の打ち合わせ段階からレスポンスが遅いようでは話にならないと意識しています。
レスポンススピードは納品スピードやお互いのモチベーションにも関わってくると思うので是非とも気をつけたいポイントの一つですね。
ろっこ
契約後に気をつけること
ここからは契約後にどう言ったことを述べていくか、どのように進めていくのかという話です。
5、まずはお礼を
クラウドソーシングサイトではその集客力の強さから、よほど提案条件が酷くなければビックリするほどの数の提案がきます。
私自身軽いノリで応募をかけたら、あれよあれよと言う間に20〜30件の募集が集まり、腰を抜かしたことがあります。
お互い条件があったから契約するとは言え、その数ある提案から見つけてくださったことにまずは感謝しましょう。
論理的に考えるのではなく、感情を考えるのがとても大切です。相手は機械じゃなく、人だからです。
別にありがとうって伝えても残金が減るわけでもない上に、お互いが気持ちよく仕事を始める第一歩なんですから、そこらへんはきちんとやりましょう。また、積極的に伝えましょう。
相手に対して思いやりを持つことは、「接客業である」と心得た人には自然に身につく力かと思います。
ろっこ
6、委託先を自分にしてくれた判断を正しいと思ってもらう
先日、こんなツイートを見つけました。
レジを出ところでソフトクリーム50円、ホットドッグ80円。最後にダメを押して「あなたの今日の買い物はコスパ良いよ!」とダメ押しで、印象付けるIKEAは商売が分かっおるなぁ。 pic.twitter.com/RxMy0x4S8v
— 田端信太郎 @田端大学塾長である! (@tabbata) 2019年1月19日
レジを出ところでソフトクリーム50円、ホットドッグ80円。最後にダメを押して「あなたの今日の買い物はコスパ良いよ!」とダメ押しで、印象付けるIKEAは商売が分かっおるなぁ。
フリーランスもこれと同じであり、契約直後・納品後に相手へ
「この人と仕事して良かった」「この人を選んで良かった」
と思って貰えるかどうか、気持ちよくなって貰えるかどうかは継続案件やリピートの獲得への鍵となります。
そのために具体的に何をすべきかは次の項目から。
7、具体的スケジュールと手順の説明
まず、大まかな流れを把握してもらう必要があります。
「全部任せちゃって!良い感じにやっとくから!」が通用する人もいらっしゃいますが、基本的にはきちんとしたお仕事ですから、全体の流れは自分とクライアント様の共通認識としましょう。
ろっこ
一応、初心者の方向けにフローチャートを作ってみました。そのままフリー画像的にお使いいただいても結構ですし、これを見本に自分で作ってみるのも良いかと思います。
また、「こんな面倒なことやってられっか!」という場合は口頭説明でもOKです。
とにかく、クライアント様が全体像を把握できるようにしておきましょう。
8、制作物やデザイン案は見栄え良く提出
以前のこの記事でも触れましたが、
3分で分かる!モックアップの使い方〜iMac・名刺で実践〜デザイン案をモックアップに埋め込んだり、WordPressテーマのファイル名を「●●様専用テーマ」としてみたり、ちょっとした工夫で第一印象がぐっと良くなります。
また、Web制作であればPSDファイルの提出なども時折求められますが、そのフォルダに「この度はありがとうございました」といった謝辞のテキストファイルを入れたりなどもしています。
ろっこ
もちろん、ただ提出するだけでも構わないかとは思いますが、たった10分程度のそういった工夫で他人・他社と差がついたり、見栄えが良くなったりするのは個人的には相当コスパが高い作業だと思っています。
9、手順ごとの連絡
毎日連絡するのも良いかもしれませんが、進捗が目に見えない日もあるため、場合によっては鬱陶しく思われてしまうかもしれません。
なので、私の場合は何か大きな手順が一つ終了するごとに報告するよう心掛けています。
そのクライアント様がどのくらいの頻度での報告を望んでいるかは話していくうちに感覚で探っていく必要があるので一概には言えません。
ただ、経験則として、全く報告しないで淡々と進めてしまうよりかは適度な報告をした方が良さそうです。
10、納品前・納品後も手厚いサポートは怠らない
その業務に関してクライアント様がどれくらいの知識を持っているかは大抵の場合、何回かのやり取りを通して分かってきます。(言葉遣いのくだりでも触れたように、クライアント様の使っている専門用語などからどれくらいの知識を持っているかは推し量れますよね。)
相手がどのくらいの知識を持っているか大体分かったらそのレベルに合わせた説明を心がけましょう。
また、私の場合は納品後に簡単なマニュアルを渡したりもしていますが、相手がそれを読んだ時に疑問が残らないような説明を意識しています。
もちろん、これは契約外のことであるため、やるかやらないか自体は人によって選択の分かれるとことではあると思いますが、大切なのは納品までの工程を通していかに相手が気持ちいい体験ができるかです。
その一つとして手厚いサポートはあってもいいかもしれませんね。
ろっこ
どうしても契約が取れない時の裏技
実は一時期、クラウドワークスやランサーズで本名+顔写真で活動していました(今はまた匿名に戻しちゃいましたが)。
私自身、最初は契約が全く取れずに四苦八苦していたのですが、匿名+フリー画像→本名+顔出しに変えてから心なしか少しずつ契約できるようになってきました。
農家の顔が見える野菜が人気を博したように、やはり自己開示と言うのは一定の効果を持っている気がします。
特にクラウドソーシングでは顔が見えないやりとりというイメージが根強い(逆にそれが魅力でもあるわけですが)ため、どうしても公開したくないのは分かりますが、とりあえず最初の実績が少ないうちだけでも公開してみるのも手かと思います。
本名を出すと自身の仕事に責任感も生まれるため、オススメです。
当記事のポイントまとめ
当記事のポイントをざっくりとまとめると……
・接客業だと思い、細かな気配りを忘れない
・自信を持ち、レスポンスは早く、報告も怠らない
・人として、マナーや言うべきことはしっかりと
こうやって簡略化すれば「こんなの当たり前じゃね?基本じゃね?」と思ってしまいますが、全ての物事で基本こそが最も重要なものなので忘れない様、しっかり押さえておきましょう!
具体的にどういう提案をするのが好ましいのかということで、提案時に使えるテンプレートもお作りしました。併せてご確認ください。
LancersやCrowdWorksなどクラウドソーシングで案件を獲得するための提案テンプレート