基本的にあらゆるWeb戦略は使い回しであり、要は「パクってデータ取って自己流に改変」というのが最も再現性が高く思われます(例えば一時期、プレゼント企画があちこちで行われていたように)。
とは言え、基礎すら抑えずにガムシャラにやるよりはそれを最初に初めて人がどういう目論見でやり始めたのかという裏の意図を読み取った方が得策でしょう。
何も知らずにパクるよりも、まずはその第一人者が何を思い、何を見据えて始めたのかという裏の意図を読み解くことで成功に近づくはずです。裏の意図を読み解くためのマーケティング基礎を学べるオススメの教材をご紹介します。
デジタルマーケティングの「基本」を抑えたい人にオススメの教材
Webマーケティングの基礎を抑えるための鉄板教材たちです。この辺りを一つでもやればだいぶ理解度が高まります。
Googleデジタルワークショップ
Googleが提供する無料でWebマーケティングの基礎を学べる講座です。だいたい40〜50時間もあれば修了するかと思います。
Googleが提供するだけあって、扇動性は全くなく、非常に堅実かつ手堅いマーケティングモデルを学習できます。ただ、あくまで概要を触ると言った形なので、実践的な内容までは取り扱っていません。
何も知らない状態でWebマーケティングを学習されるという場合にはこれほど優れた教材はないかと思います。
過去に個別でレビューもしましたので、気になる方はチェックしてみてください。
【グロービス学び放題】3時間でおさらい! マーケティング戦略・1年生の教科書
こちらはWebに限らないマーケティングの基礎を学べる講座です。
SWOT分析、製品ライフサイクル、キャズム、態度変容モデルなど、基本的ながら知っておいて損をしない項目を実践的に学べます。
逆に基本を抑えている人であれば少し物足りなく感じるかと思うので、後述する発展的な内容まで学べる教材をチェックしましょう。
正規の値段だと高いですが、Udemyの教材は総じてセールで70〜80%割り引かれて2000〜3000円になる期間がありますので、購入される場合はその期間中にしましょう!
脳科学マーケティング100の心理技術
購買欲求に訴求する心理術などがメインの内容です。
Webに限らず、リアルで展開するビジネスでも通じるような売るための心理術などを多数取扱っています。例えば本は厚く重くしろという章があり、それに基づいて本書も厚く作られており、個人的には読んでて手が疲れちゃいました(笑)
基本的には実店舗や企業の販売戦略で使えそうな情報が羅列していますが、最終章ではWebマーケティングに関しても触れています。
内容としてはファーストビュー・UIの重要性や感覚への訴求方法、売るためのデザインとしてのポイントなどなど。
心理方面に明るくない私としては、楽しんで読むことができました。
デジタルマーケティングについて発展的な内容まで学べる教材
理解に前知識を必要とする教材たちです。上記の教材にあるような基本を抑えた人向けの書籍・サイトとなっており、何も知らない状態で勉強すると少し難しいかも。
沈黙のWebマーケティング<Webマーケッターボーンの逆襲>
鉄板中の鉄板です。
デジタルワークショップなどに比べるとややカバー範囲は狭まり、前知識もある程度必要になりますが、ストーリー形式で学べるので学習の楽しさはピカイチです。
メディアやECサイトなどWebサイトを主軸としたマーケティングを行っていく場合には持ってこいの教材です。
また、本だけでなくWebサイトで無料公開もされているため、気になる方はチェックしてみてください。
新版 マーケティングの基本 この1冊ですべてわかる
マーケティングに関するロングセラーとして長く親しまれている鉄板の書を最新版へとブラッシュアップしたものです。
売買のことを「ハッピーな交換」と定義づけたり、凝り固まった考え方を柔軟にするには持ってこいです。
ただし、序盤はともかく後半に進むにつれ学術的な内容にもなるため、読書らしい読書が苦手な方には取っつきづらいかもしれません。
また、内容はもちろん使われる単語も小難しい言い回しが多く散見されるので、本屋で立ち読みするなり、Kindleのお試しを見るなりしてから購入しましょう。
難しいですが、これ一冊がきちんと読みきれて、内容理解が十分であれば正直マーケティングに関してはもう学ぶこともなさそうなくらい濃い内容となっています。
デジタルマーケティングで売上の壁を超える方法
『そもそもマーケティングってなんだろう。マーケッターの仕事はなんだろう。』という根本的な部分から本書は始まります。
そこでマーケティングに関してこう述べていたのは印象的でした。
マーケターの目線としては「どう売るか」ではなくて「買いたい気持ちをどう作るか」。さらに言えば、「買いたい気持ちをどう作り続けるか」が重要になってくるのです。
デジタルマーケティングで売上の壁を超える方法
「作り続ける」とおっしゃるように、筆者は新規客に頼った状態でビジネスを回すのは厳しいとし、「F2」というリピート層をどう上手く取り込み、継続率を上げていくかというところに着眼して内容を展開していきます。
前半でそう言った指針を示し、後半ではデジタルマーケティングにおいてそれを実現するためにはどうすればいいかという流れです。
具体的にはアフィリエイトなどのWeb広告運用、SNS運用、SEO対策、KPIの考え方、ブランディングなどの内容です。
コンバージョンアップの手法99
文脈はあまりなく、CV向上のための手法を断片的に99個取り扱っています。
一章一章がページ単位で構成されているため、この手の本はどうしても情報が上手く伝達できなかったりしますが、上手くまとめているのが特徴的でした。
Googleアナリティクスの有効的な活用方法(どこを見るべきか、何を計測すべきかなど)や、自サイトの状況を鑑みた段階ごとの指針、リスティング広告の運用方法、UIに関する内容(適切なフォームの項目やLPのポイントなど)を取り扱っています。
情報量が多すぎるくらいなため、全部を実施しようとすればオーバーヒートしてしまいそうですが、基本に忠実な内容で、先進的というよりは堅実な具体的手法の提案をしてくれている本です。
昨今のデジタルマーケティングのトレンドを学べる教材
「3つのF」が価値になる! SNS消費時代のモノの売り方
今現在、SEOを意識した展開よりもソーシャルメディアを上手く活用したマーケティングが主流となっており、その具体的実例をもって学んでいける教材です。
説明に対するデータ量が少なく、若干客観性に欠ける箇所もありますが、最新のトレンドをメインに触れたものであるため、データ不足は仕方なく、筆者の言っている事・伝えたい事も概ね納得できるものがありました。
とりわけ
どんなに優れた宣伝も、家族のひと言にはかなわない。
どんなに優れた広告も、仲間の勧めにはかなわない。
どんなに優れたマーケティング戦略も、個人と個人とのつながりにはかなわないのです。
「3つのF」が価値になる! SNS消費時代のモノの売り方
この主張とそれを裏付ける説明部分は腑に落ちる内容でした。
著者の藤村先生は古くから「体験を売る」というマーケティング手法を推していますが、それを現代のマーケットに合わせた形にパッケージングした『「つながり」で売る!7つの法則』をさらに最新版へとブラッシュアップしたのが本書となっています。
共感マーケティングのすすめ
先にご紹介した『「3つのF」が価値になる!』では現状理解が主となる内容ですが、こちらはその現状を踏まえた上で、具体的かつ理論的にSNSを用いたマーケティング手法の提案をしています。
著者の感覚・体感ではなく、実例や数字などの客観的指標で展開していくので、SNS方面での事業展開を考えるかたには必要十分と呼べる内容となっています。
また、インフルエンサーを広告塔として使う際の具体的手法に関しても触れており、SNSを真剣に使っていく場合には必読とも言えるでしょう。
ferret
有名なWebマガジンです。
Webマーケティングに関するノウハウをまとめた無料の資料を配布していたり、会員限定コンテンツもあります。
メルマガで毎日情報を届けてくれ、たまに有料とも言えるような情報にもありつけるので、余裕がある方はマメにチェックしておいて損はありません。
SNS主流時代に突入しつつあるとはいえ、個人的にはSEOも一定量の流入経路として今後も機能すると考えており、ferretさんではそういったSEOに関する情報も発信してくれています。