大学受験生からTOEIC受験生まで幅広く愛される名著、DUO3.0。
わたしも大学受験時とTOEIC対策時にお世話になりました。
「1時間で1600の英単語と1000の熟語を総復習できる」という最大の特徴の通り、上手く使いこなすことができればこれほど強い味方はいません。
ただ、癖のある書籍なので、その効率的な勉強方法や使い方を解説します。
ちなみに当記事で紹介する学習計画はわたしが考えたものではなく、前年度に京大に合格した先輩から教えてもらい、それを愚直に実践したものです。
DUO3.0の学習で得られるもの
まずは裏表紙にもあるDUOを通して到達できる目安のレベルです。
・TOEIC=600〜780点
・大学入試=偏差値58〜65
・TOEFL=60〜90点
・英検=準一級
実際にわたしは、英語の偏差値は60弱、TOEICは700点弱くらいまで到達できたので、かなり信ぴょう性の高い数字だと思います。
ろっこ
また、その他にも1年ちょっとこの書籍を使ったことで得られるメリットはいくつもありました。
語彙力、リスニング力がかなり向上する
ちょっとした英会話でDUO3.0内の例文や口語表現が使える
例文をいくらでも応用できるので英作文で困らなくなる
試験前にたった1時間で総復習ができる
他の単語帳と違って例文にユーモアがある
スラング(砕けた表現)も取り扱っているので洋画や洋ドラマで理解できる部分が増える
例文が身体に染み付くので多少のブランクが空いても感覚を取り戻すのが容易
スピーキング(話す)に関してはやや弱いため別途で何かする必要はありそうです。
ただ、リーディング(読む)、リスニング(聴く)、ライティング(書く)に関しては相当なレベルアップが図れます。
従来の英単語帳ではここまでカバーすることはまず出来ないため、複数の参考書を用いなければいけません。
そのためどうしても1冊1冊の定着度は低くなってしまいますが、1冊で総合的な英語力を鍛えることができるのがDUOの最大のメリットとも言えます。
ただ、当然、デメリットもあります。
覚えるのが大変
基本的な英文法が分かっていなければ理解のハードルが高い
得られるものが多い分、他の単語帳よりも多めの時間と労力を割かなければ使いこなすのは難しいです。
また、基本的に例文を使っての学習になるので例文に使われている基本的な英文法が分かっていなければ逆に効率が悪くなりかねません。
なので、個人的には、以下2つの文法的な構造が理解できる程度であれば使用するのも問題ないかと思います。
・In order to keep up its competitiveness in the world, Japan must undertake sweeping deregulation in earnest.
・Innovation has something to do with the ability to notice unusual phenomena.
ろっこ
体感として、動名詞、不定詞、現在・過去分詞、前置詞あたりは頻出するので忘れている場合は再確認しておきましょう!
学習に必須なもの
・DUO3.0本体
・復習用CD
これだけです。しめて2000円ちょっと。特に復習用CDに入っているスマホサイズの小冊子は常にポケットに入れているほど重宝していました。
DUO3.0には復習用だけでなく、基礎用のCDもあります。
違いとして、
<基礎用>
→英語と日本語で例文が読まれ、単語も触れてくれる
<復習用>
→ひたすら英文のみが読まれていく
といった感じです。
私は基礎用のCDも使用しましたが、値段が少し高めなので、お金がない人や効率がいい人であれば復習用だけで良い気はします。
お金に余裕がある人は基礎用もチェックしてみてください。
DUO3.0の効率的な学習方法
ここから効率的な勉強方法の紹介です。
最初に言っておくと、DUOの最初から最後まで読むことを○周と表現し、100〜200周くらいすればかなり力がつきます。
ろっこ
と感じますが、後半は1時間で1周できるようになるので、実際にかかる時間や労力はどんどん少なくなっていきますのでご安心を!
また、大変ですが、それだけDUOに時間を割いて英文を身体に馴染ませれば後で英語を再学習したいとなった時にすぐに感覚が取り戻せます。
まずは英文をどんどん読み進めていきます。
英文構造に引っかかるものがあればお手元の文法本で、「なぜそういう構造なのか」を理解します。
また、この段階では英単語や英熟語に関してはそのうち例文と共に自然と覚えられるので、そこまで意識しなくて大丈夫です。ポイントはこの期間にあまり時間をかけすぎないこと。
DUO3.0は単語帳と言うていであるため、どうしても単語をその都度覚えようとしてしまいますが、その意識は捨て去ってしまって問題ありません。
DUOは異質な単語帳であり、単語帳というよりは例文集であるからです。
例文の英語と日本語での翻訳ができるようになり、そこに使われている単語や熟語は訳から導き出せるような感覚とも言えます。
まずは1文1文にかける時間をなるべく少なくして、1周にかける時間をなるべく短くする意識が大切です。
その人の記憶力にもよりますが大体3〜5周くらいすればほぼ全ての英文と「お、こんな奴いたな」と言う面識が生まれます。
わたしは記憶力が相当ひどいものですが、印象的な例文が多いため、記憶に残りやすいです。
ろっこ
・ほぼ全ての英文の英文構造が理解できる
1周目……3〜5時間
2周目……3〜5時間
3周目……3〜5時間
4周目……2〜4時間
5周目……2〜4時間
計13〜23時間
ここから復習用CDを導入し、復習用CDを聴き、DUO本体あるいは小冊子を見ながらシャドーイングをしていきます。
シャドーイングとは、おうむ返しのことです。聴こえた英文を同じように唱えていきます。
もちろん、復習用CDはスピードが早く、最初のうちはCDのペースに追いつくだけで精一杯であり、「果たしてこれ意味あるのか」と疑問に思うレベルで聴き取れないかと思います。
ただ、DUOの学習においては慣れが必要不可欠なので、グッと我慢。
わたし自身もそうでしたが、まだこの段階ではシャドーイングしながら日本語訳まで意識するのは一部の人を除いては到底出来ないかと思います。
そのため、まずは英文を身体になじませる意識を持って取り組みましょう。
ろっこ
6〜10周目……2〜4時間
11〜15周目……1〜3時間
計15〜35時間
ここまでに掛かる予想時間
約30〜60時間
ここからディクテーションを利用し、一気に理解度・定着度を上げていきます。
ディクテーションとは書き取りのことで、聴こえた英文を書き取っていくことです。
チラシの裏やメモ帳など紙は何でもいいですが、CDをスタート/ストップを繰り返し、とにかく聴いて、書き取っていきます。
自分が認識さえできれば字なんか汚くて全然構いません。
むしろ、丁寧に書いている暇があるなら1つでも多くの英文をディクテーションした方がマシとさえ考えた方が効率的かと思います。
ディクテーションは1〜15周目と違い、ペンや紙、机などが必要であるため場所や時間を選ぶ面倒な作業です。
しかし、これをすることで一文一文への理解や覚えが格段に上がります。わたし自身変化が生じ始めたのはここからです。
ろっこ
何度も唱えたり、書き殴ることで更に効果が高まり、単熟語の理解も深まるので、全ての英文が何となくでもいいので訳せるようになることを目標に取り組んでみてください。
16〜20周目……3〜7時間
21〜25周目……3〜6時間
26〜35周目……3〜5時間
計60〜115時間
ここまでに掛かる予想時間
約90〜170時間
この段階ではCDを使用せずに復習用CDについてくる小冊子を使用し、右側にある日本語を見て、英文を書いていきます。
今までは英文を身体に馴染ませ、英→日を意識した勉強でしたが、ここからは日→英も意識しましょう。
スペルが分からないものはカタカナで書いても構いません。英文全体像が何となくイメージできる状態にしていきます。
分からなかった英文や単語・熟語に関してはチェックをつけたりマーカーを引いたり、後で見返した時に『あの時書けなかったものだ』と意識して勉強できるようにしておきましょう。
35〜40周目……3〜5時間
41〜45周目……2〜4時間
計25〜45時間
ここまでに掛かる予想時間
約120〜220時間
ここからは復習用CDを使い、ひたすらリスニング・シャドーイング・ディクテーションをしていき、暗唱できるようにしていきます。
理解度が低い英文があれば小冊子を見て確認し、チェックし、何度も書いたり音読をし、身体に刷り込ませていきます。
要は全ての英文を暗記する段階となります。
ここまでで、ほぼ全ての英文に見覚えと聴き覚えがあり、ぼんやりとでも日本語訳ができるようになっているかと思うので、その理解度を100%完璧と言えるまでひたすら周回していきましょう。
ろっこ
45〜100周目……1〜3時間
計55〜165時間
ここまでに掛かる予想時間
約180〜390時間
まとめ
DUO3.0は癖の強い書籍ですが、この本にリソースを割けばそれなりのリターンが返って来ることが広く保証されている数少ない名著の一つです。
自分の中に英文のストックを溜め込んでおくことは自信にも繋がります。
わたし自身、受験会場に行くまで、そして着いてからもDUOしかやっていませんでした。
英語の勉強時間の多くを捧げた思い出深い1冊で、ミニマリストながらDUOだけは恐らく捨てることができません。
あなたにとってもそんな1冊になるキッカケとなれば幸いです。